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「鶴の一声」では動かない 中国社会の多様さ

青山瑠妙・早稲田大大学院アジア太平洋研究科教授
「一帯一路」フォーラムに集まった各国首脳らと記念撮影に臨む中国の習近平国家主席(前列中央)。左隣はロシアのプーチン大統領=北京で2023年10月18日、ロイター
「一帯一路」フォーラムに集まった各国首脳らと記念撮影に臨む中国の習近平国家主席(前列中央)。左隣はロシアのプーチン大統領=北京で2023年10月18日、ロイター

 習近平体制発足後の中国は政治的にはイデオロギー色を強め、経済的には内向きの姿勢が目立つ。

 習氏への権力集中によって、外相や国防相が突然更迭されるなど人事の入れ替えが激しい。新しい指導層は国内で教育を受けた人々が中心だ。国際社会でなじみのなかった習氏の側近らが登用されたことで、政策の方向を予測するのがより難しくなっている。

 情報統制も厳しくなり、今ではどの新聞を読んでも同じ内容がずらっと並んでいる。中国政府の言い分しか接することができず、胡錦濤前政権とは異なる。以前ももちろん情報統制はあったものの、さまざまな角度から報じられており、中国国内の議論や多様な中国社会の姿が見えていた。

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早稲田大大学院アジア太平洋研究科教授

 慶応大大学院博士課程修了。法学博士。米ジョージ・ワシントン大客員研究員を経て、2018年から早稲田大現代中国研究所所長。専門は現代中国政治外交。著書『現代中国の外交』は08年に大平正芳記念賞を受賞。