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サルの群れ情報、リアルタイム配信で対策呼びかけ 三重・いなべ

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三重県いなべ市北勢町で確認されたサルの群れ=今年2月(同市提供) 拡大
三重県いなべ市北勢町で確認されたサルの群れ=今年2月(同市提供)

 山間部が多く、サルの獣害に手を焼いている三重県いなべ市は、市の生活情報サイトにサルの群れ情報をリアルタイムで配信し、関係住民に追い払いなどの対策を呼びかけている。近年、集落周辺への出没回数が増え、農作物だけでなく家屋にも被害が及んでいる実情が背景にある。市の担当者は「群れはすぐ移動するのでリアルタイムでないと意味がない。追い払いを続けることで人里は怖いという意識付けにつながれば」と期待する。

 「サルがぶら下がって雨どいが曲がったり、屋根を走り回って瓦がずれたり、割れたり……。人家にまで影響が出ています」。農作物にとどまらない被害に、市獣害対策課の担当者は頭を抱える。

 対策の一環で取り組み始めたのが、速やかな出没情報の発信だ。サルは雌を中心に群れをなして行動する。このため、オリで捕獲した雌ザルに発信器を付け、6人のパトロール員がほぼ年中、動きを監視している。現在、市内で四つのサル集団を追跡し、目視で確認後すぐに地区名や田畑、集落などの詳しい場所、頭数の情報を生活情報サイト「まいめる」で希望者に提供。3月以降、20頭以上の出没を目安に配信し、多い時で1日に4~6回流している。

希望者にリアルタイムで配信されているサルの群れ情報=2023年11月9日午前11時16分、松本宣良撮影 拡大
希望者にリアルタイムで配信されているサルの群れ情報=2023年11月9日午前11時16分、松本宣良撮影

 対象地区の住民には、追い払い用のロケット花火や爆竹を無償で配布しているほか、防護柵の設置に補助金を出すなどして対策を促している。

 一方で担当者は、集落への出没回数が増えてきた要因として、里で生まれて成長したサルが増えてきたことを挙げる。以前は山で生まれ、時折里へ下りてくるパターンだったが、里で育ったサルは果樹など好物に味をしめ、いったん山へ追い返しても、すぐ里へ下りてくるという。いたちごっこの状態だが、「だからといって何も威嚇しないと余計、人間を怖がらなくなる。集落単位で粘り強く追い払い、里は怖いところと学習させることが重要だ」と訴える。

 群れ情報の配信を始めてから約8カ月が経過した。「今は一方的に情報を流し、協力を求めている段階だが、住民の対応や効果などを調べるため、年度内にサイト内でアンケートを実施したい。その結果を分析し、より効果的な情報の発信方法を探りたい」と話している。【松本宣良】

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