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バイデン氏、待ち焦がれた習氏との再会 中国・四川で培った「絆」

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インドネシア・バリ島での会談で握手を交わす米国のバイデン大統領(右)と中国の習近平国家主席=2022年11月14日、ロイター 拡大
インドネシア・バリ島での会談で握手を交わす米国のバイデン大統領(右)と中国の習近平国家主席=2022年11月14日、ロイター

 バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は15日(日本時間16日)、米西部サンフランシスコ近郊で約1年ぶりの会談に臨む。バイデン氏にとっては、待ち焦がれた習氏との直接対話だ。米中関係は今年前半に悪化の一途をたどったが、高官同士の協議を重ねてバイデン政権発足後、2回目の首脳会談にこぎ着けた。

副大統領時代に中国訪問

 「バイデン氏と習氏の付き合いは10年以上にわたる」。米政府高官は首脳会談に先立って、記者団に2人の個人的な関係を強調し、会談が充実したものになると予想してみせた。

 バイデン氏は2011年、オバマ政権(当時)で副大統領だった際に中国を訪問している。その時に中国でホスト役を務めたのが胡錦濤政権(同)で国家副主席だった習氏だ。

 2人は四川省を回り、地震で被災した高校で高校生と交流するなど数日間にわたって一緒に時間を過ごした。習氏が翌年に訪米した際には、バイデン氏がホスト役を務めて習氏をもてなした。それだけにバイデン氏は習氏との意思疎通に自信を見せる。

 2人は22年11月、インドネシア・バリ島で、バイデン氏が大統領に就任してから初めてとなる会談を約3時間にわたって実施した。米中の対立は同年8月のペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問で先鋭化していたが、バイデン氏は会談後の記者会見で「習氏は今まで通り私に率直に話した。我々は互いに理解し合えたと思う」と関係改善の手応えを語っていた。

中国気球の領空侵入で急変

 しかし、ブリンケン米国務長官が今年2月に訪中しようとした矢先に「問題」が起こる。中国の偵察用気球が米領空に侵入し、ブリンケン氏の訪中は急きょ取りやめに。米軍が気球を撃墜したことから中国が猛反発し、関係は一気に冷え込んだ。

米軍機の下を飛ぶ中国の偵察用気球(中央)=2023年2月3日、米国防総省提供・AP 拡大
米軍機の下を飛ぶ中国の偵察用気球(中央)=2023年2月3日、米国防総省提供・AP

 関係改善に向けて積極的に動いたのはバイデン政権だった。

 11月に米国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に向け、米中首脳会談の実施を模索。6月以降、ブリンケン氏をはじめとした閣僚を相次いで中国に派遣して対話機運の醸成を図った。バイデン氏も9月にベトナムを訪問した際に「近いうちに習氏に再会できることを願っている」と述べ、中国側に秋波を送った。

 10月下旬、中国外交トップの王毅共産党政治局員兼外相が米国を訪問。バイデン氏もブリンケン氏らと共にホワイトハウスで王氏と会談し、今回の米中首脳会談が実現する見通しがついた。

1年前と違い、国内外で課題山積

 ただ、前回の首脳会談の時と比べてバイデン政権を取り巻く国内外の状況は一変しているのが現状だ。

 パレスチナ自治区ガザ地区では、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が激しさを増す。ロシアによるウクライナ侵攻への対応と合わせ、バイデン政権の外交課題は山積している。

 また、国内では、米議会は共和党の一部の保守強硬派の抵抗で予算審議が難航。下院は多数派の共和党が提案した来年2月2日までのつなぎ予算案を賛成多数で可決し、18日以降の政府機関の一部閉鎖は回避される公算が大きくなった。しかし、バイデン政権が強く求めるウクライナやイスラエルへの支援は含まれておらず、難題は棚上げされたままだ。

バイデン米大統領=ホワイトハウスで2023年11月13日、AP 拡大
バイデン米大統領=ホワイトハウスで2023年11月13日、AP

 バイデン氏は中国を専制主義と批判してきたが、民主主義の優位性が揺らぎかねない事態で、どれだけ「強い立場」で習氏と向き合えるかは、心もとない状況だ。

 首脳会談の実施に前のめりとなってきたバイデン政権だが、米中の最大の懸案である台湾問題などの双方の主張の隔たりは大きい。米政府高官は「5~10年前の米中関係とは異なり、長い成果リストを作ることができるわけではない。会談のゴールは、競争関係を管理し、衝突のリスクを減少させ、両国で意思疎通を維持することだ」と強調。会談の成果への過度な期待に予防線も張っている。【サンフランシスコ鈴木一生】

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