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障害ある子の「親亡き後」 ある母娘が踏み出した「親離れ」への一歩

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母ひとみさんの手をしっかりと握る檜垣円さん(左)=横浜市戸塚区で2023年10月5日、梅田麻衣子撮影
母ひとみさんの手をしっかりと握る檜垣円さん(左)=横浜市戸塚区で2023年10月5日、梅田麻衣子撮影

 「いってらっしゃい」。10月のある日、横浜市戸塚区に住む檜垣ひとみさん(66)はゆっくりと一人娘の円さん(40)の手を離して自宅前から送り出した。円さんは週1回、市内の障害者施設「横浜市多機能型拠点こまち」に通っている。4番染色体の一部が欠損する難病「4p欠失症候群」による重い知的障害があり、生まれてからどこへ行くにもひとみさんの運転で出かけていたが、2020年8月から送迎車に乗って一人で同施設に行くように。37歳にして初めての「親離れ」だった。

 通い始めた頃、施設に到着するまでの約30分間、ひとみさんは連絡が来ないか心配で電話の前から離れられなかった。一方の円さんは寂しがる様子もなく、振り返らずにスタッフと車に乗り込んだ。ひとみさんは「家では私にべったりなのに、外ではお姉さんみたい」と目を細める。

 重い障害のある子を持つ親にとって、「親亡き後」は切実な問題だ。ひとみさんの夫良和さんは7年前、60歳の時に心不全で急死した。自分の両親はすでに他界し、頼れる親戚もいない。同施設の西田守希施設長は「親亡き後は、生活の場所やお金のことなどさまざまな課題がある。その人らしい生活ができるように不安を少しでも解消することが大切」と話す。

 檜垣さん親子が一歩を踏み出したきっかけは、担当の相談支援専門員の「お母さんが運転できなくなった時のことを考えましょう」という言葉だった。…

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